Hiroshima Shudo University

        taekwon-do club

○ テコンドーについて

テコンドー(跆拳道)とは

テコンドーは朝鮮半島の伝統武道と日本の空手をベースに作られた武道です。

「足技のボクシング」と形容されることもある、多彩で華麗な足技が魅力の武道です。

技はスピーディーでダイナミック、まさに変幻自在です。


テコンドーの『跆』は、踏む、跳ぶ、蹴る、という足技を、

『拳』は突く、叩く、受ける、などの手技を、

『道』は、礼に始まり礼に終わる人の道、すなわち、精神を表しています。


足しか使わないイメージがあるかもしれませんが、

手技・関節技など護身用の技術も多く存在します。

世界各国に道場があり、海外のハリウッドアクションスター、

国内ではミュージシャンのGacktさんも修得され、黒帯を取られています。

テコンドー精神

テコンドー家が守るべき心構え、実践すべき目標、それがテコンドー精神です。

テコンドー精神に則り、修練することを通じて人としての正しい道を学び、

強い体を育むことがテコンドーの目標とされています。


一.礼儀 (れいぎ:COURTESY)

目上の人を敬い、人の行う礼の道


一.廉恥 (れんち:INTEGRITY)

心が清らかで、恥を知る心のあること


一.忍耐 (にんたい:PERSEVERANCE)

耐え忍ぶこと。苦しくともじっと我慢できる強い精神


一.克己 (こっき:SELF-CONTROL)

己に勝つこと。自分の欲望に打ち勝つ精神


一.百折不屈 (ひゃくせつふくつ:INDOMITABLE SPIRIT)

幾度挫折しそうになっても決して屈しない精神

テコンドーの魅力

テコンドーの技術は初心者でも理解できるよう体系化されているのが特徴です。

難しい技はありますが、はじめはできなくても少しずつできるようになっていきます。

できなかったことができるようになる楽しさがテコンドーの魅力の1つです。

体系化された理論でスポーツ未経験者でも確実に上達が見込めます。


テコンドーの練習は、全身運動がメインでダイエットに最適です。

練習中にストレッチも行うため、代謝がよくなります。

大学1年生のとき1年で10kg体重が落ちたため、

健康診断の先生に心配されたことがあります(笑)。


そのほかにも様々な魅力があります。大学を卒業しても多くのOBがテコンドーを続けています。卒業しても続けたいと思う魅力がテコンドーにはあるのです。

○ テコンドーの競技について

テコンドーの競技

テコンドーの競技にはトゥル(型)、マッソギ(組手)、

ウィリョク(威力)、トゥッキ(特技)の4つがあります。


これらの競技は昇級・昇段の課題にもなっており、これら4つの競技

に関する練習が普段の練習ではメインになります。


トゥルとマッソギには個人競技と団体競技があります。

団体トゥルでは複数人がトゥルを同時に行います。トゥルの競技の要素に加え、

どれだけ息があっているかを表すチームワークが採点の対象になります。


団体マッソギでは剣道の団体戦のように先鋒→次鋒→中堅→副将→大将と

1対1でマッソギを行い、3本先取したチームが勝利します。

○ トゥル(型) ROUTINE

トゥル(型) ROUTINE

決められた動きを行い、技の完成度を競います。

トゥル(型)はテコンドーの基礎であり、力の出し方、体の使い方を学んでいきます。

トゥルが上手い人はマッソギ(組手)でも力の出し方が理解でき、

強くなれる傾向があります。もちろん他の競技でもよい成績を収めることが多いです。

トゥルは24種類あり、昇級・昇段するにつれ難しい動きが登場します。


競技は減点方式で行われ、級・段ごとにクラスが分かれて行われます。

各動作の正確性、パワー、バランス、呼吸、リズムが採点の対象になります。

動きや最後の掛け声を間違えると失格(0点)になります。

正確に、途切れることなくトゥルの動きをやりきるには集中力が必要になります。

○ マッソギ(組手) SPARRING

マッソギ(組手) SPARRING

手足に防具をつけ実際に攻防を行い、攻撃が有効の時入るポイントを競います。

帯より上の攻撃のみが有効となり、下段への攻撃は無効になります。

上段への攻撃、飛び蹴り、回転蹴りなど難易度の高い技はポイントが高く設定されています。

パンチはジャブとストレートのみ有効でフック、アッパーなどは禁止されており、

ワンツーまでしか続けて出すことはできません。足と手のコンビネーションが基本になります。


体重別と有級・勇断に階級が分かれており、実力差・体重差が大きくなりすぎないよう

調整されています。また、ライトコンタクト性が導入されており、

相手を倒すような力ずくの攻撃は減点対象になります。

これはマッソギもあくまでトゥルと同じく正確な技を重視しているためです。

ライトコンタクトルールと階級制に分かれていることから意外にも

大きなケガをする選手があまりいないのが特徴です。

○ ウィリョク(威力) POWER BREAKING

ウィリョ(威力) POWER BREAKING

蹴りや手技で板を何枚割ることができるかを競う競技です。

力ずくでは割ることはできず、正確性、パワー、スピードが揃っている必要があります。

複数の審査員が割れたか判定し、過半数以上が有効と認めればその枚数はクリアとなります。


演舞という観客に技を披露する際には板を割るだけではなく瓦やバット、ブロックなどを

用いることもあります。厚い板や瓦が何枚も割れる様子はまさに大迫力で

演舞でも人気の高いプログラムの一つです。


昇級や昇段の際の課題にもなっていて、正拳突き、手刀、肘打ち、横蹴り、後ろ横蹴りなど

様々な技で既定の枚数の板を割る必要があります。

黒帯になるには正拳突きや横蹴りなどで2cm程度の板を複数枚割る必要があります。

力の出し方、体の使い方などトゥルで培った技術が重要になります。

○ トゥッキ(特技) SPECIAL TECHNIQUE

トゥッキ(特技) SPECIAL TECHNIQUE

いかに高い、又は遠くの標的に対して技が届くかを競う競技です。

テコンドーの代名詞ともいえるド派手な飛び蹴りで板を割ります。

複数の審査員が判定し、過半数以上が有効と認めればその高さ、距離はクリアとなります。


トゥッキもウィリョと同様演舞の目玉になっています。ライダーキックや360°回転

回し蹴りなどすべての技が華やかで、客席から「おおっ!」と感嘆の声が上がることもよく

あります。師範演舞では飛んでフラフープをくぐってライダーキック、咥えているたばこや

被った帽子を蹴る、目隠しをして板を割る、空中で3枚の板を割る、540°回って蹴る、

などなどものすごい技を見ることができます。過去には大学祭の演舞でこれらの技に挑戦し

成功した先輩や、頭上の板をバク転蹴りで割るという強者もいたそうです。


昇級・昇段の課題にもなっていて、黒帯をとるためには頭の上の高さの板を蹴り上げで割る、

顔の高さの板を飛び後ろ回し蹴りで割るなど難しそうな課題が多くあります。

ですが、これらの技も体系を理解し練習すればできるようになるのです。

技の華やかさを競うテコンドーらしい独特な競技です。